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兵庫県との歩み

兵庫県からの援助と共に歩んできた当会の<兵庫県との歩み>を順次掲載していきます。

Vol.1/No.1(2019.10.)
 

兵庫県は1995(平成7)年の阪神・淡路大震災の後、
「音楽療法の普及と音楽療法士養成講座開設」について(故)山口陽雄氏(向陽病院院長)の提言により当時の知事(故)貝原俊民氏の指揮のもと「県独自の音楽療法士養成・認定」に関する検討を始め、先進事例(岐阜県・奈良市)の調査や県内有識者からの意見聴取を行った。
日本音楽療法学会の認定基準等も参考に、4年もの長期間の準備 を経て1999(平成11)年、兵庫県音楽療法士養成講座『基礎講座』を開設した。

Vol.1/No.2(2020.1.)
 

兵庫県の音楽療法について知事に提言をして下さった(故)山口陽雄氏は、兵庫県音楽療法士養成講座で必ずお世話になる向陽病院の開設者で、音楽をこよなく愛し、精神科の病院には音楽が必要だと考え、音楽療法が世間には殆ど知られていなかった早くから、病院に音楽療法を取り入れ、啓発活動をし、提言に至ったと聞いています。音楽療法士認定が現実となってからは、兵庫県音楽療法士会の設立等道筋を示してくださり、相談にのっていただき、団体として発展していくための基礎や心構えを教えて頂きました。厳しい言葉をいただくこともありましたが、「音楽療法士は大変なんや」「何でもかんでも自腹や」と言い続け、たくさんの愛情と援助をいただきました。
神戸介護老人保健施設協会の会長時代に、音楽療法の施設内外へのアピールの場として老健協会コンサートの実施にご尽力くださり、それが今の老健訪問コンサートへとつながっています。
まさに兵庫県音楽療法士と兵庫県音楽療法士会の生みの親です。

Vol.1/No.3(2020.6.)
 

兵庫県の支援により、現在兵庫県福祉センターの一室を借りて事務局を構えています。発会から必ず実施している月一回の研修会はほとんど福祉センター内で行うことが可能になり、事務局には複数台のパソコンやコピー機も有する等、事務所としての機能が整っています。思い起こせば、知事からいただいた兵庫県音楽療法士という素晴らしい資格と音楽療法の普及を目指す熱い思い、そして故山口陽雄先生の後押しも受け立ち上げた会は、初代会長宅に事務局を置かせていただき、会長宅の電話やFAX機能がパンクし迷惑をかけたものです。また研修会も知り合いの神社の社務所をお借りし、その後も〇〇会館、〇〇センター等々、いろいろな貸会場を利用して研修会を続けました。事務局は個人宅での限界もあり、山口紅子先生が施設長をなさっていた施設やマンションの一室を借りながら引っ越しをくり返し、6か所目に現在の県福祉センターに落ち着くことができました。10年前のことです。今やっと研修会や連絡会の資料は事務局内で準備できますが、それまでは印刷は安価でできるところを探し、多くの会員さん達といろいろな仕事を分担・協力しながら会を維持してきました。
その間、現在行われている補助事業のはじめの一歩「音楽療法出前普及活動」が2004年1月に始まり、いよいよ広く県民の皆様に音楽療法を知っていただくチャンスをいただきました。

Vol.1/No.4(2020.12.)
 

2004年兵庫県の補助事業『音楽療法出前普及事業』は2006年に『音楽療法導入促進事業』として、事務局に有償のコーディネーターを置く形で発展させていただきました。これらの事業を始めるに際して、向陽病院の故山口陽雄先生の提言があったことはとても大きなことでした。ここから兵庫県音楽療法士は、県の補助を頂きセッションができることが後押しとなり、知事のおっしゃる「県内の全福祉施設・病院等へ音楽療法を」に向けて大きく動き始めたと言えるでしょう。

Vol.1/No.5(2021.1.)
 

県外で名刺交換をすると、「県職員?公務員?」と聞かれ、「『兵庫県』と付いていますが違います」と答えたことがある。 震災では多くの命が奪われ、家も日常生活も仕事も、何もかもが崩れてしまう。私たち兵庫県音楽療法士は、阪神淡路大震災後の心のケアの必要性から生まれた。悲しい出来事がきっかけではあったが、兵庫県の取組みは全国に例を見ない先進的な事業で、認定を受けた兵庫県音楽療法士、そして会の活動は兵庫県という看板と切っても切れないものなのだ。それは兵庫県という看板に守られていると共に、大きな使命を担っているということに他ならない。
兵庫県から補助金をいただいての事業は、『音楽療法出前普及活動』から始まり、『音楽療法導入促進事業』、『音楽療法定着促進事業』、そして現在の『音楽療法普及・定着強化事業』に繋がり、多くの医療・福祉・教育の現場で音楽療法がとり入れられることになった。また、東日本大震災復興支援事業では、現地支援と兵庫県へ避難して来られた方々への被災者支援コンサート「音・きずなコンサート」が2011年から2017年まで行われた。2010年日本音楽療法学会学術大会第10回神戸大会では、兵庫県と共催で『被災と音楽』と題してシンポジウムも開催した。そして2018年からは、阪神間以外の、音楽療法士が少なく音楽療法に馴染みの少ない地域の県民対象に、幅広く音楽療法を体験して知っていただくことを目的に、県内参加型コンサート開催事業を展開し、3年間に47会場で開催することが出来た。
兵庫県音楽療法士にも「震災は昔の事、音楽療法士を目指したのは地震とは関係ない」とか「音楽が好きで施設で歌って聞いてもらうために音楽療法士になった」「私は演奏の実力で、音楽療法士になった」という意見もあるかもしれないが、今活動できているのは、先輩の努力と信頼関係の積み重ね、そして県からの名実ともに多大なるバックアップをいただいていることを忘れないで今後も活動を続けていきたい。